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Go West ! ルート66 の旅 6/8 <テキサス州> [>route 66]


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ルート66の旅、遂にテキサス州に入ります。今回はテキサス州のルート66を全線お伝えします。アメリカを横断するルート66がテキサスを通っているのを疑問に思う方もいるかもしれません。ルート66は、シカゴからイリノイ州を南下し、ミズーリ州セントルイスからひたすら西に向かいます。そして、カンザス州、オクラホマ州を抜け、テキサス州の北を横切ることになるのです。なので、テキサスというとメキシコとの州境、南米、カウボーイ、ヒューストン...いろいろとイメージが浮かびますが、そのイメージのようなテキサス州らしい場所は通りません。テキサス州の北側とオクラホマ州の州境のようなところを走ります。よって、大きな街はないですし、テキサスらしい南部アメリカっぽい光景にもあまりお目にかかりません。そんなちょっと辺鄙なテキサス州を見ていきましょう。

旅行者の方へ:このあたりの旧ルート66は、ちょっと寂しいので、旅行者は一気に走り抜けたほうが良いと思いました。特に治安が悪いわけではありませんが、街には何もないですし事件や事故に巻き込まれても周りに人があまりいませんので注意してください。

 

You Drop In Cafe

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オクラホマ州とテキサス州の州境には何もありませんでした。そこには手つかずの平原と林があるだけです。州境を過ぎ、かなり寂しい道を30分ほど走るとシャムロック(Shamrock)という街に着きます。街の中心にある交差点、その四つ角に店があり、あとは数件のモーテルで終了、そんな小さな街です。交差点のひとつの角にあるのがユー・ドロップ・イン・カフェの遺構です。既に営業はしていないカフェ&ガソリンスタンドですが、建物はとても綺麗に保存されています。現在、この建物には観光協会と土産物屋が入っているので彼らがメインテナンスしているのでしょう。

 

建物はとても特徴的でちょっとメキシコの匂いがします。このカフェ、名前は子供が付けたそうで英語的にちょっと変なのですが、それが魅力となっています。ルート66の有名な観光名所となっていますので、このあたりを旅する場合は立ち寄ってみるといいかもしれません。

 

この街にはホリデイ・インがありましたが、旅行者用の施設は、他に見あたりませんでした。

 

Devils Rope Museum

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テキサス州はなんとも寂しい街が続きます。マクリーン(McLean)もそのひとつです。確かに街ですし人も住んでいます。でも何もないのです。いったいこの街の住民はどのように生計を立てているのでしょう。かなりボロボロの家が並んでいます。そして人気もありませんが、車は止まっているし家々からは生活の気配を感じます。

そんな何もない街に有刺鉄線博物館があります。有刺鉄線とは、進入禁止の土地の周りに張ってあるトゲのついた針金のことです。この針金には歴史があり、様々なタイプがあるのだそうです。そんな有刺鉄線について詳しくリサーチした博物館です。博物館に入ると時代ごと、地域ごとに形の違う有刺鉄線が並んでいます。興味があるかというとあまりないと思いますが、こんな風変わりな博物館がルート66沿いにはあるんです。そして、何気なく入ると意外と面白かったりします。

 

マクリーンのメインストリートはかろうじて舗装されていますが、それ以外は未舗装道がおおかったです。レンタカーは未舗装道走行は保証対象外ですので、この街を走るときは気をつけてください。

 

 

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Phillips 66 Station

マクリーンには、かつてルート66沿いで繁盛していたであろうガソリンスタンドの遺構が残っています。しかし、地元の人が観光の目玉にしようとペイントしてしまったので、せっかくのノスタルジックなガソリンスタンドは台無しになっています。これじゃあディズニーランドだなあとがっかりさせられます。ルート66を旅する人が望んでいるのは古き良きアメリカの匂いがする古くて懐かしいデザイン達です。どうもマーケティング能力に欠けた住人達がこのような失敗作を作ってしまっているのも、アメリカの田舎町の愛嬌ではあるのですが、色が塗ってなかったらさぞかし良い感じのスタンドだったはずです。

 

Cactus Inn Motel

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マクリーン唯一の宿泊施設です。かなりくたびれていますが絶賛営業中です。このモーテルは古き良きアメリカの時代を色濃く残していて、ルート66を旅する人にはとても向いているモーテルだと思います。建物はかなりくたびれていて、見た瞬間は営業していないのかと思いました。

近所には店もなくレストランもないので、手前の街で食事を調達しないといけません。そんな辺鄙な場所にあります。

私が行った真冬でもお客さんは結構泊まっていました。こういう昔懐かしいモーテルを泊まり歩く観光客も結構いるんだなあと思いました。確かにこういった趣のあるモーテルのほうが、ルート66を旅している気分に浸れると思います。私はホラー映画の見過ぎで、どうもこうした古いモーテルには泊まれないのでした。

このホテルはやはりメキシコの影響があり、ちょっとだけメキシカン・テイストです。テキサスから先は、こういったメキシカンテイストが濃くなっていきます。

 

Leaning Water Tower

マクリーンを過ぎ、しばらくルート66を走ると、遠くに変な構造物が見えてきます。これが有名な傾いた給水塔です。これまでも街ごとに給水塔があり、それぞれ特徴的なデザインとコピーで我々観光客を楽しませてくれてきましたが、この給水塔はルート66全行程で一番インパクトのあるものです。誰が何のために作ったのでしょう。この給水塔は実際に機能しているのでしょうか?近くには街がなく、給水塔に関する情報が入手できませんでしたが、おおくの観光客がこの給水塔の写真を撮っていました。

 

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Big Texan Stake Ranch
テキサスのルート66で唯一の大きな街がアマリロ(Amarillo)です。人口は18万人だそうで、街の主産業は予想通り畜産です。この街、面白いのはかつてヘリウムの生産が世界一だったそうです。ヘリウムというと変な声が出る気体ですが、気球に入っている空気より軽い気体でもあります。どうやって生産していたかはわかりませんが、こんなテキサスの片田舎でヘリウムが作られていたというのがちょっと不思議でした。

畜産の街には、有名ステーキ店があります。この街にはビック・テキサンというかなり品のない大きなレストランがありました。この品のなさがとても愉快で、旅行者のおおくが外観に惹かれ店に立ち寄るのだと思います。

私も看板に驚き、店舗のデザインに笑い、店内の装飾に苦笑いしながらとても楽しい時間を過ごしました。ここのステーキは巨大で食べ応えがあります。

 

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Cadelac Ranch

テキサス州で一番印象に残るスポットがこのキャデラック・ランチです。アマリロ出身の大金持ちスタンレー・マシューが作ったオブジェです。本物のキャデラックを10台地面に埋めて車体の半分が地面からニョキッと突き出ています。かなり遠くからも見えるので、ルート66を走っている人なら誰もが気づくはずです。近づくとキャデラックはスプレーで落書きされていますが、立派な近代美術です。賛否両論あるかとは思いますが、アマリロの観光スポットになっています。映画「カーズ」でも背景の山はこのキャデラック・ランチ風になっていました。

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Dot's Mini Museum
アマリロの街の郊外は動物の臭いがとても強烈でした。相当数の牛が放牧されているのでしょう。その臭いが薄くなると再び何もない平野が続きます。テキサス州が終わるまでにポツポツと小さな街がありますが、人が住んでいるのかどうかもわからないほど寂れていました。そんな街の中でも人の気配があったのがベガ(Vega)です。この街の住人が自分の庭を使ってかなりどうてもいいガラクタを集めて博物館を作りました。ルート66のガイドや旅行記にはこの博物館が良く出ていますが、実際に行ってみると「んー」。

Vega Motel

ベガにはモーテルがありました。このモーテルの看板が良い感じでしたが、経営しているのかどうかは不明でした。

 

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Midway Cafe

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これまた何もない街エイドリアン(Adrien)にポツンとホテルとカフェがあります。周りに何もないのに繁盛している感じがします。ここは、ルート66の丁度中間地点なのです。中間ポイントにはそれを示す看板が立っていて、おおくの観光客がこのポイントで写真を撮ります。このあたりには街がないので、止まったついでにカフェに寄るのでしょう。で、カフェは儲かるわけです。まさに観光地と化したミッドポイント、いったい何が商売になるのかわかりませんが、前後1時間ほどは何もないので、のどが渇いたりトイレに行きたいときは利用メリットは大きいはずです。

 

1st & Last Motel

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テキサス州最後の街はグレンリオ(Glenrio)といいます。家は数戸あるようです。住人は10人以下でしょう。街の機能はないようです。テキサス州とお隣のニューメキシコ州の州境にまたがって作られたのがファースト・アンド・ラスト・モーテルです。テキサス州から西に向かっている人、ニューメキシコ州から東に向かっている人、どちらにとってもその州最後のモーテルであり、次の州で一番初めのモーテルとなります。なかなかユニークなネーミングですが、このモーテルは現在営業していません。街に何もないため、ここでモーテルを営業するのは無理でしょう。かつては宿場町だったのかもしれませんが、今は、旧ルート66の直ぐ脇を州間高速が走っているので、ほぼ100%の車がこの街に気づくことなく通り過ぎてしまいます。でもルート66を旅する人にとっては理想の写真撮影ポイントとなっています。


Diary from the Traveler -----
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シカゴから1139 mile、数日をかけてたどり着いたルート66の中間ポイントにはカフェ以外何もありませんでした。テキサス州は、ここに紹介したいくつかのポイントはありますが、それ以外は特に何もないので、急いでいる人は州間高速に乗ってしまったほうが良いと思います。旧ルート66は、そのほとんどが残っていますが、ただの一本道でした。
唯一の都市アマリロ、ここには観光スポットや宿泊施設が多数あります。もし、旅行中に買い物をしたり宿泊したい場合はアマリロを頼ることになります。他の街は観光スポットだけ立ち寄り、昼間のうちに走り去ったほうが無難です。それほど寂しい場所でした。
オクラホマからテキサスに入って変わったこと、それは自然の凄さです。オクラホマでは土が赤くなりました。そして街と街の間隔が開いてきて、それに伴い人口も減っていきました。テキサスは、アマリロ以外街と呼べる町はほとんどなく、ひたすら平原が続いています。そしてだんだんと標高が高くなってきて今まで平らだった土地が隆起してくるのです。土地がでこぼこしているのはミズーリ州以来です。グレート・プレーン(大平原)と呼ばれるアメリカの中心がそろそろ終わり近づいてきました。自然の景色もただの砂漠から高原地帯に変化してくるんです。このグラデーションがとても美しいです。

次回は、ニューメキシコ州に入ります。メキシコと名前が付きながら、そこは高地でした。雪との格闘はまだ終わっていませんでした。

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TaekoLovesParis

ヒューストンからサンアントニオへ車で行ったことがあるのですが、それは
南下だから、この北部を横切るルートとは、どこでも交わらないみたいですね。
たしかに寂しそうな所で、さっと走り抜けるほうがよさそうですね。

by TaekoLovesParis (2010-01-31 18:19) 

Traveler

Taekoさん、こんにちは。
ルート66が通るテキサス州はなんとも寂しいところでした。でも日本では味わうことの出来ない旅がありました。
東洋人とも出会いませんし寂しいのですが、日本にいたら知ることの出来ない文化を楽しめました。
by Traveler (2010-02-01 12:14) 

かおり

有刺鉄線の博物館、面白そうです(笑)
印象に残る建物やオブジェがたくさんあるルートのようでしたね♪
キャデラック・ランチは見てみたいですねー
by かおり (2010-02-08 11:40) 

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