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W hotels (ダブリュー・ホテル) [hotels and ryokan]

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今回は、ホテルの紹介です。
皆さん「W(ダブリュー)」というホテルをご存じでしょうか?1998年にニューヨークにオープンしたWホテルは、当時ニューヨークに住む30代のスノッブな富裕層に人気でした。

このホテルは、それまでのホテルのイメージを覆しニューヨーカーを驚かせたのです。ラウンジスタイル、ナイトクラブ風、モダンアートの要素を取り入れ以後主流になるデザイン・トレンドを押さえていました。
そもそも、このホテルのイメージはニューヨークにあった「Studio 54」というナイトクラブを手がけたイアン・シュレッガーというデザイナーの影響を受けていると言われています。ホテルのロビーは、赤や紫の装飾が施され、とてもモダンです。そして部屋も木と布を多用し、とても心地の良いデザインでまとめられています。週末には、ロビーは完全にクラブと化し、30代前半から40代前半のエンターテイメント業界やファッション業界の人々が集まって話し込んでいます。こんなホテルが何故アメリカの都市部で受けたかというと、それまでのホテルは、歴史のある入り難いホテルか、安くて何もないビジネスホテル、あるいはバックパッカーや家族旅行者向けの安いホテルしかなく、一番お金を使う都市部の30代をターゲットとしたホテルがなかったことが理由です。

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W New York Times Squareのロビー。夜はクラブと化します。

「W」のようなホテルをアメリカではブティック・ホテルと呼びます。現在では、「W」の成功により沢山のホテルが出現しました。ブティック・ホテルというと、どうしてもクールで都会的なイメージが先行してしまい、デザインを重視するあまり、快適性や機能性が後回しにされていることがあります。けれども、「W」の場合は、徹底的に快適性を追求しています。センスの良いお金持ちの友人宅に招かれているかのようなカジュアル感覚があるのです。スタイリッシュかつフレンドリーという一見相反する要素が融合されているところが「W」の魅力です。

w_la2.jpgこのWホテル、経営はスターウッドです。スターウッドとは、ウェスティン・ホテルやシェラトン・ホテル、セント・レジスなどのホテルブランドを有する巨大ホテル・チェーンです。スターウッドは、新たなホテル・ブランドとして「W」をニューヨークにオープンさせ、反応を見ていたのでした。
W New Yorkの成功をきっかけにスターウッドはロサンゼルスに新しい「W」をオープンさせます。ロサンゼルスで選ばれたのは、元UCLAの寮だったビルです。場所はウエストウッドにあります。このビルを大幅にリフォームして登場したW Los Angelesは、衝撃的でした。この「W」は、オール・スイートのホテルとして設計されていたのです。デザインは元バナナ・リパブリックの店内デザイナーをしていた人物です。ロビーは広く、部屋は殆どが3部屋仕様で、とてものんびりできました。私は、W Los Angelesの正式オープン前に宿泊することができたのですが、あまりの快適さに、ホテルが自分の家のように感じました。そして、サービスも快適で驚かされました。アメリカにある雑なサービスとは無縁で、細かな気配りには感心させられました。
その後、スターウッドは、「W」ホテルを拡大し始めます。現在では25ホテルが世界で展開されています。そして今後20近くの「W」を世界中にオープンする予定です。
Wホテルは統一ブランドにもかかわらず、それぞれ違った個性を持っています。その個性はその地域の文化と、Wホテルのデザインを融合させて生み出しています。よって、ニューヨークの「W」と、香港の「W」では、どこか似ていますが、内容などは異なります。

では、いくつかの「W」を紹介していきましょう。

w_seattle1.jpgW Seattle (シアトル)は、ロビーに暖炉が置かれ、宿泊者は、ロビーでのんびり過ごしています。シアトルは、夏でも肌寒い日があるので、基本的に暖炉にはいつも灯がついています。そして、ロビーはガラス張りのためいつも光に包まれています。1階のレストランは、シアトル名物のシーフードを現代風にアレンジした味を楽しむことができます。建物は新しいので機能的ですが、内装は心地よい色を使ているので快適です。サービスは、スターウッドなので、問題はありません。

w_sf.jpgW San Francisco(サンフランシスコ)は、美術館とコンベンション・センターの隣という立地で、ダウンタウンにも近く観光には便利です。しかし、街の中心にあるわけではないので、ゆっくりと過ごせるのです。南側の部屋からは、ベイブリッジが見えます。北側からはツイン・ピークスの町並みが見えます。Wにしては、高層なので、上層階の角部屋に宿泊することをお勧めします。

ニューヨークでは、現在W New Yorkを含め、 5つの「W」があります。
w_seattle.jpgW New Yorkは、「W」の1号店です。場所はミッドタウンで、観光、ビジネス両方にお勧めのリッチです。さすがに内装が古くなってきたため、昨年大幅にリニューアルが行われ、新しいコンセプトのデザインになりました。かなり明るめの色調になってしまい、私はあまり好きではありません。今後「W」の内装はここのようなデザインに順次変更されていくのではないでしょうか。ニューヨークの「W」の中では一番安い価格設定です。


w_ny.jpgW Times Squareは、タイムズスクエアにできた高層ホテルです。ここは、他の「W」とは異なり狭くうるさいです。ホテルのロビーは、小さく夜になると沢山の人がこのバーに押し寄せます。歌舞伎町みたいな場所にあるわけですから場所柄仕方がないですね。
部屋も他の「W」と比べると狭く、エレベーターの音や隣の部屋の音が聞こえてきます。これこそがニューヨークと思えるかもしれませんが、私はあまり好きなホテルではありません。

w_うs.jpgW Union Squareは、ニューヨークの「W」の中で私が一番好きなホテルです。中心地ではないので周りの環境がのんびりしているのと部屋が広いことが素晴らしいです。サービスも一番まともです。このホテルは古いビルを改装しているようで、外観は重厚です。しかし、一歩中に入ると「W」らしいデザインで統一されています。部屋も大きく快適です。1階のレストランも、他の「W」と比べると静かで品があります。

w_tuscany.jpgThe TuscanyThe Courtは、39th.Stに並んで建っています。どちらも建物はかなり古く、後で「W」のデザインに手直しした感じのこじんまりしたホテルです。都会の隠れ家的なホテルですので、女性には好まれるかもしれません。
このように「W」といっても同じコンセプト上に各都市の個性が加えられています。よって、どの都市に行っても、家に帰ってきたような安心感を持ちつつ、その都市の刺激を感じることができるのです。

Wホテルでは、ホテル内でゲストが目にするもの、触るもの、使うもの、食すものすべてにWホテルのこだわりがあります。そして、それらは購入できるのです。「昨晩寝たベッドがほしい」「ラウンジでかかっていたミュージックCDがほしい」といった要望にもすべて応えてくれます。ちなみに私の家のベッドは「W」のベッドと同じ仕様ですし、タオルやバスマットなどリネン類も「W」の製品です。これらは「W」のロゴが入っているわけではありません。品質にこだわった快適な商品なので、ホテルで使ってみて欲しくなったのです。これらはオンラインショップで日本でも購入可能です。

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この家具をはじめ、部屋にある全てのものが購入可能です。※

私の薦めの「W」。日本にはないのが残念です。しかし、海外で展開が始まっており、2011年には横浜にW Yokohamaがオープンする予定です。
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名月荘 山形県 かみのやま温泉 [hotels and ryokan]

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海外ネタが続いたので、この辺りで国内旅行のお話をしましょう。
最近行った素晴らしい温泉を紹介します。

山形県上山温泉にある「名月荘」という旅館です。
数年前山形県に行ったとき、この旅館に泊まろうと思っていたのですがなかなか予約が取れず、結局近くの温泉に宿泊した経験があるので、今回も宿泊できるかどうか不安でした。しかしシーズンを外せば予約も可能だそうです。そして最近ネットでの予約も開始したので以前程「予約が取れない宿」ではなくなったそうです。

今回は東京駅から山形新幹線でのアプローチです。つばさは、2008年末から新車種を導入し乗り心地が良くなりました。新幹線が開通する前は特急などを利用し険しい板谷峠を越えるルートを走っていたのでかなりの時間がかかったそうです。さらにその前の昭和50年頃までは板谷峠はスイッチバックで、寝台特急に乗り東京ー山形間は一晩かかったそうです。それが今では東京から2時間ちょっとで山形まで到着してしまうのです。
かつてのように時間をかけて旅をすると、遠くに来たなあと感じられるのですが、あまりの早さになんとなく寂しさを感じてしまいました。

そうはいってもやはり山形。東京とは全く違う景色と寒さで、遠くに来た感じはしました。
駅からはタクシーで5分くらい、山の中腹に「名月荘」がありました。純和風の造りで「和」の心で迎入れてくれます。

入り口には大きな門があり、その中には囲炉裏がありました。きっと車を待つ係員やタクシーを待つお客さんが暖をとるための物だと思いますが、暖炉の燃える匂いが心を落ち着かせてくれます。

部屋は30部屋くらいあるようですが、それぞれが干渉しない設計になっており、他のお客さんと会うことは殆どありません。
meigetu2.jpg私が宿泊した部屋は和室と洋室からなり、露天風呂がついていました。この部屋構成が絶妙です。夜は和室で食事をして温泉に入ります。すると和室には布団が敷かれています。これは、どこの旅館でも同じですね。ここからが違うのです。普通の旅館だと朝、布団をたたみに係の方が部屋に来ますが、「名月荘」では、朝食は寝ている和室ではなく、隣の洋室にセッティングされるのです。だから、朝早く起きる必要がなく、のんびりできるのです。このシステムはとても素晴らしいです。朝食後もチェックアウトするまでは布団はそのままです。だから朝食後にもうひと寝入りができるのです。ここまでホスピタリティーが徹底している温泉旅館はそうありませんね。

食事は、かなりおいしいです。基本山形の名産品を使った料理ですが、名月荘の食の目玉は「うどん」です。平打ちのうどん汁は山形らしい素朴な味でした。私が行った晩秋は、きのことお米が美味しかったです。

meigetu3.jpg温泉は、部屋の他に大きな露天風呂、小さな室内風呂、岩をくりぬいた露天風呂がありました。どこも24時間入れます。私が気に入ったのは部屋の露天風呂と大きな露天風呂です。残念ながら雪が降っていませんでしたが、雪景色が広がっていたらさらに素晴らしいだろうなあと思いました。
温泉はボイラーによって暖めている循環湯でした。

この他に、旅館内には気の利いたちいさなホスピタリティーが満載です。
・朝、温泉から出てくると、冷えた季節のフルーツジュースがおいてあります。
・夜は、図書館があり、自由に本を読めます。
・酒蔵があり、世界の銘酒を揃えています。勿論部屋で飲むことが可能です。
・別棟には、暖炉がある休憩場所があります。ここでは無料でコーヒーや紅茶などを提供してくれます。沢山の雑誌も用意されているので、食後やチェックアウト後にのんびりできます。
・倉という建物があり、ここで食事もできます。
・廊下や庭にはかわいいお地蔵さんや灯が配置されています。

「名月荘」は、食事も温泉も満足度が高いのですが、やはり従業員のサービスと建物のデザイン・設計が素晴らしいのだと思いました。日本には、「名月荘」よりもはるかに美味しい料理を提供する宿があるでしょう。そしてもっと素晴らしい湯を持つ宿もあると思います。しかし、ここまで気持ちよく過ごせる宿は、そうないと感じました。
勿論、同程度の素晴らしい宿に行ったことはありますが、値段が違うのです。良心的な価格で、これほどのサービスが提供されている「名月荘」。本当の意味での「名旅館」だと言える宿でした。


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Fine Hotels & Resorts [hotels and ryokan]

今回は、クレジットカードに付いてくるちょっと面白い旅行サービスについてお伝えします。

アメリカン・エキスプレスの上級カードには「Fine Hotels & Resorts」という特典が付いています。実はこの特典の存在を知らない会員の方が結構いるようですが、旅行するとき、使い始めるととても便利な代物です。

具体的なサービスは以下の通りです。
1)チェックイン時の空室状況により、1ランク上の部屋へアップグレード
2)滞在中の朝食をサービス(2名まで)
3)予約状況によりチェック・アウト時間の延長(16時まで)

アメックスのサービス案内には上記のように書かれています。まるほど、まあまあ良いサービスだなと思っていたのですが、実際に使ってみるとかなり違いがあるようです。

利用可能なホテルに宿泊すると、案内されているサービス以外にもおおくの特典が付いているのがわかります。これは、宿泊時の混雑状況などにもよるようですが、アップグレードは多くの場合、スイートになるようです。そして食事は朝食の場合もありますが、昼食だったり夕食だったりします。ラッキーだと、通常料金を支払えば、スイートルームに宿泊し、ホテルのダイニングで夕食をとれるのです。このサービスは結構複雑で、どういうシステムなのか利用客にはよくわかりません。でも、繁忙期でなければ、満足のいくサービスを受けられることがおおいようです。ちょっと貧乏臭いのですが、具体的な数字を見てみましょう。あるホテルの料金表を見てみると、スタンダードルームが1泊300ドル、スイートルームが1泊1200ドルです。ホテルのレストランでのディナーは、1人80ドル〜となっています。この差額はかなりのものです。まあ、必ずこのサービスが受けられるわけではありませんが、ラッキーな場合は、とても満足のいくカード会員特典です。

では、使えるホテルについて。このサービスを提供してくれるホテルは世界中に500程度あります。サービスするホテルに関する情報は何故か日本語のサービスはなく、英語版の分厚いガイドブックがあります。しかし、このガイドブックは、コンシェルジェ・デスクにお願いしないと入手できないので、実はどのホテルがサービスを行っているのかわかりにくいのです。私は早速このガイドブックを入手しました。わかったことは、世界中の素晴らしいホテルがラインナップされているということです。やはりアメリカ国内のホテルがおおいのですが、ロシアやドバイ、中国、南のリゾート地などかなりの地域をカバーしています。東京の項目を見ると「リッツ・カールトン大阪」「コンラッド東京」「フォー・シーズンズ椿山荘」「ホテル・オークラ」「ホテル西洋銀座」「マンダリン・オリエンタル東京」「パーク・ハイアット東京」がリストに載っていました。日本はまだホテルの数が少ないようで、アジアでも他の国のほうが充実していたりします。おそらく、このサービスを利用する主な顧客はアメリカ人のビジネスマンとその家族なのでは、と思います。各ホテルをチェックしていくと、そういう傾向が感じられました。チェーン・ホテルでは、フォー・シーズンズやアマン・リゾート、ハイアット、リッツ・カールトンなどが登録されていますが、全チェーン・ホテルでサービスを得ることはできないようです。

このサービスを利用するには、まずアメックスの上級カードの会員になる必要があります。会費が高いので敬遠されている方も多いと思いますが、Fine Hotels &
Resortsを利用する回数が多い方にとっては、会費分などすぐに元が取れてしまいます(というより、既に会費分相当の手厚い保険に入るので、この時点で元は取れています)。
そして、会員専用のコンシェルジェ・デスクに電話し、ホテルを予約すれば完了です。コンシェルジェ・デスクを通さなくても、ホテルチェックイン時にカードを提示するとサービスが受けられたりもしますが、100%サービスが受けられるわけではないようです。

会員には、「Small Luxury Hotels」という特典もあります。この特典は、「Fine Hotels & Resorts」には含まれない古城ホテルやアイランド・リゾートなど、1日に数組しか受け付けない隠れ家的ホテルを紹介してくれるサービスです。勿論「Fine Hotels & Resorts」のような素晴らしいサービスも付いてきます。

このように、あまり知られていませんが、旅行の達人達にはとても便利なサービスを紹介しました。うまく使うとかなり楽しい旅行ができるでしょう。


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