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ユーロスター [europe]


ユーロスターは、ご存じの通りロンドンとパリを結ぶ高速鉄道です。この鉄道は、短期旅行に組み込みやすい路線です。

<ユーロスターとは>
1994年11月、ドーバー海峡にはばまれていた大陸からイギリスへの道がついに開通。気軽に、手軽に往来ができるようになりました。イギリス−大陸間を結ぶ列車をユーロスターと名付けロンドンーパリ間を約300Km/h、2時間30分で結びます。。ヨーロッパならではの風格が漂う、華麗な高速列車です。

3本の白い線は、europeの“E”から作られました。イギリス、フランス、ベルギー3カ国の意味も入っています。
黄色い星は、未来のシンボルであり、ユーロスターのサービスが優れているという事もあらわしているそうです。

現在、ユーロスターは、ロンドンからパリを走る路線が有名ですが、以下の区間で営業しています。
ロンドン - アッシュフォード - リール - ブリュッセル:(最速2時間20分)
ロンドン - アッシュフォード - カレー - リール - パリ(北駅):(最速2時間40分)
ロンドン - アッシュフォード - マルヌ・ラ・ヴァレ(ディズニーランド・パリ):(2時間50分;1日1往復)
ロンドン - アッシュフォード - ムーチェ - (エイム・ラ・プラーニュ) ブール・サン・モーリス:(冬季のみ。一部夜行)
ロンドン - アッシュフォード - アビニョン:(夏季のみ。6時間;1日1往復)

<車両と技術>
ユーロスターはTGVをベースにイギリス、フランス、ベルギーの3国が共同して開発した鉄道です。
先頭車両と最後部の車両が電気機関車、中間にある18車両が客車で、合計20両で1編成です。
1編成の長さは394m、重量は800トン、車両の幅は2.8m。
新幹線のぞみ号(300系:長さ約400m、重量638トン、車両幅3.38m)と比べると、ユーロスターの方がひとまわり小さいです。これは、フランス国鉄(SNCF)ではなく、イギリス国鉄(BR)の車両規格に合わせたからです。両国とも、軌道は標準軌ですが、車両幅は統一されていないために、幅が小さいイギリスの方に合わせなければならなかったそうです。

ユーロスターの電圧は、国によって以下のように異なります。
交流25000V(50Hz、フランス高速新線用)
直流3000V(ベルギー国内)
直流750V(イギリス国内、第3軌条)
直流1500V(フランス国内、在来線用:一部編成のみ)
このため、途中で集電装置を取り替えて運行されています。よって、新幹線のようにほぼ同じ速度で走っているわけではなく、途中で停車し、パンタグラフを降ろしたりしています。


フランスはホームの高さが、イギリスとは違い、かなり低いです。このため、ユーロスターのドアには、電動ステップがついています。ホームの高さは、イギリスは、91.5cm、フランスは、55.0cm、ベルギーは、76.0cm。

私は、パリからロンドンに向かうユーロスターに乗ってみました。今回は、この路線についてお話しようと思います。

<パリの駅>
パリにあるユーロスターの駅は、Gare du Nordという駅です。旅行ガイドではノール駅、北駅と記されています。名前のようにパリの北側に位置しています。駅舎はなかなか立派で、オペラ座のようです。日本の駅はコスト削減でとても貧相か、商業施設におおわれているので、Nord駅のようなヨーロッパの駅を見ると感動します。この駅からは、ユーロスターのほかにもフランス各地に向かうTGVやローカル列車が数多く出発しています。ユーロスターのチケットを持っている人は駅の西側に専用の入り口が用意されています。ユーロスターのマークと矢印があるので駅のどこからも迷うことなくホームに行くことができます。
ホームに入る前に、出国審査があります。といってもとても簡単なものです。
ユーロスターの待合室は駅の2階に位置しています。私は、1等車のチケットを購入していたので、発車までラウンジで待つことができました。ラウンジは航空会社のラウンジと同等かそれ以上でした。バーにはスナックと飲み物が用意され、自由に食すことができます。そして、大きないすがいくつもあり、乗客は各々ラウンジにある雑誌を読んだり、TVを見たりして時間を潰していました。2等車の乗客は、2階のガラス張りの通路のようなところで出発を待ちます。ここも店があったりして結構楽しめる場所でした。

ユーロスターは、ゆっくりとNord駅に入ってきます。流線型の優雅な車体がホームに現れると、おおくの乗客が窓から列車を眺めていました。到着後、簡単な清掃が行われた後、アナウンスが流れ、いよいよ乗車です。
まずは1等車、そして2等車の乗客が順に案内されます。2階からはガラス張りのスロープを降りてホームに向かいます。この構造だと、駅に着いてからユーロスターの座席に座るまでほとんど外にでないことになります。セキュリティの問題もあるのでしょうが、夏の暑いときや冬の寒いときはとても良いシステムだと思いました。

<ユーロスターの設備>
目の醒めるような鮮やかな黄色い車体のユーロスター。車内も豪華です。1等車の座席はソファーのようにゆったりしています。2等車ではファミリー用対面シートもあります。日本の列車と比べると快適でのんびりしています。
ユーロスター1等車の料金には、食事とドリンクのサービスが含まれています。ワゴンサービスで席まで食事を持ってきてくれました。味はなかなかのもので、日系航空会社のエコノミー用機内食くらいのレベルでしょうか。肉と魚が選べました。2等車は食事サービスはありませんが、ビュッフェ(食堂車)を利用できます。

ユーロスターは、Nord駅を出るとすぐにのどかな田園風景のなかを走ります。日本と違い、これだけなにもないところを突き進むのですから、当然騒音は気になりません。日本の新幹線は、すぐ側に民家が建ち並んでいるので、騒音には神経を使わないといけないんだということがよくわかります。こののどかな景色の中を300キロというスピードで走るのです。これが約1時間30分続きます。

そしてユーロトネルが近づくと、列車は停止します。これは、いくつかの事情があるからです。まず、集電装置の取り替えがあります。フランスでは日本の電車のように電車の上についたパンタグラフから電気を取っています。しかし、イギリス側は、線路の脇にもう1本レールが通っていてここから電気を取るのです。よって、一度電車を止め、パンタグラフを下げ、列車の脇から集電装置をひっぱり出さなければなりません。次に、ユーロトンネルには様々な電車が各地から集まってきます。トンネルの入り口には様々な車両が集まり、タイムスケジュールを調整しています。たとえば、ドーバー海峡を越える車を積んだ貨物車や、ベルギーから来たユーロスターなどが、ここで時間調整をするのです。

そして、いよいよ私の乗ったユーロスターが動き出しました。トンネルの入り口はよくあるデザインでなんとなく味気ないです。で、トンネルにはいると、20分ないくらいでイギリス側に出てしまいます。海峡はこんなに短かったんだという印象です。

短いトンネルを通過しただけなのに、イギリス側はフランス側とかなり違った景色です。まず、線路の上に電線がなく、線路脇には電柱もありません。そして、町はくすんでおり、おおくの家に煙突があります。そして、電圧が低いため、スピードも遅くなります。イギリス側は1時間くらい走行し、駅に到着します。

<ロンドンの駅>
現在はロンドン・ウォータールー駅がユーロスターの駅ですが、イギリス側のユーロスター専用線路が全て完成すれば、ターミナルはロンドン・セント・パンクラス駅に移転するそうです。列車を降りると、入国審査があり、パスポートにスタンプを押され、無事ロンドンに到着です。

ユーロスターの旅は、旅行日程にあまり余裕がないけど、鉄道の旅がしたいという方に丁度良いです。そして、国境越えの楽しみも味わえます。チケットは日本の大手旅行代理店でも扱っていますし、JALやANAでは、正規旅券を購入した人にユーロスターのチケットを無料で手配してくれます。よって、東京ーパリーロンドンー東京という周遊が東京ーヨーロッパ往復券の金額だけで楽しむことができるのです。

次回、ロンドンやパリへの旅行をお考えの方は、是非ユーロスターを行程に入れてみてください。


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