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ゆふいんの森 [japan]


今回紹介する旅は、湯布院温泉に行く観光客向けのリゾート列車です。
東京や大阪から湯布院に行く場合、大分空港を使うことが多いと思いますが、時間に余裕があれば博多に入り、この列車での小旅行を追加することをおすすめします。

<ゆふいんの森とは>
特急「ゆふいんの森」は、博多と別府を結ぶ高原鉄道で、途中久留米、日田、由布院を経由します。博多と別府を1日3往復しています。この列車を利用するほとんどの人のディスティネーションは由布院です。
車両は、森にとけ込むヨーロピアン調のハイデッカー車で、連結部でもフロアレベルが変わらない「谷間のない構造」で高齢者にも優しい構造です。木をふんだんに使ったナチュラルなインテリアの車内には鳥のさえずりがBGMで流れ、森の別荘にでもいるかのような自然あふれる空間を演習しています。

現在、「ゆふいんの森」には2種類の車両があり、上記写真の列車は1999年に新製され「新ゆふいんの森」と紹介されています。形式はキハ71系と72系、つまりディーゼルカーです。ディーゼルカーだとうるさいと思われるかもしれませんが、客室内はオールハイデッカー(全部2階席)のせいもあって非常に静かです。

おおくの乗客は、博多から由布院、そして由布院から博多という西回りの往復を楽しんでいるようですが、博多からソニックに乗って別府に向かい、別府でゆふいんの森に乗り換えるという東回りの旅も魅力があります。国東半島や、雄大な瀬戸内海、そして昔ながらの別府温泉を眺めながらの鉄道の旅もなかなか優雅です。

では、今回は、ゆふいんの森号に乗って博多から湯布院に向かっていきましょう。

<博多駅>
ここは、九州鉄道の中心駅です。東からは山陽新幹線が走ってきて、現在終着駅となっています。そして門司など北九州からの JR各線、鹿児島からの西回り・東回りの各線などが終結しています。よって、ホーム数もおおいので、「ゆふいんの森」に乗る際は、時間にゆとりをもっていくことをおすすめします。「ゆふいんの森」は、ディーゼル車なので、ガーという音を立てホームに入ってきます。

「ゆふいんの森」はハイデッカー車なので、乗るとき階段を上ります。これにより、どの席からも高い位置から景色を見ることができます。社内は、本物の木でデコレーションされていて、乗った瞬間から湯布院温泉にいるような落ち着いた雰囲気を感じられるようにデザインされています。

JR九州は、日本の鉄道には珍しく車両デザインを設計段階から考えています。JR他社や私鉄に比べると、デザインだけでなく案内板や細かなサービスまでとても優れていますので、こういうハード、ソフト面を体験する楽しみもあるのではないでしょうか。

列車に乗り発車すると、早速車掌さんが回ってきます。そしてサービス担当の女性が動き出します。皆とても気持ちの良い対応で感心させられます。「ゆふいんの森」は、この列車限定の弁当や飲み物を扱っているので、早めに購入しましょう。私のお気に入りは、湯布院の地ビールです。九州の山々を見ながらハイデッカー車で地ビールを飲める列車はかなり珍しいサービスなのではないでしょうか。

久留米を過ぎると、「ゆふいんの森」は日豊本線に入ります。景色は完全に田園風景となり、列車はのんびりと田んぼの中を進んでいきます。途中天領水で有名な日田の温泉街を通り、線路脇を流れる滝を見たりしながら湯布院をめざします。

社内では、乗客がビュッフェに行ったり写真を撮ったりとかなり活動的になってきます。これはリゾート列車ならではの光景です。

しばらくすると、正面に由布岳が迫ってきます。旅はそろそろ終わりです。由布岳の麓をのんびり走った「ゆふいんの森」は、木造の由布院駅に到着します。

<由布院駅>
湯布院ではなく由布院。駅舎は1990年竣工で、設計は大分県出身の建築家磯崎新氏。湯布院町とJR九州が建築費用を半分ずつ負担して完成しました。駅舎には足湯が設置されています。利用客の8割を女性が占め、男性用トイレが設置されていないので、ご注意を。


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スーパー北斗 [japan]


今回は、札幌と函館を3時間で結ぶ振子式車両の旅です。

<スーパー北斗とは>
北海道の中心都市札幌と、南部の都市函館を結ぶJR北海道の主要路線である函館本線を走る特急(キハ283系)です。車両は2種類ありスーパー北斗は、振り子式のディーゼル車。北斗は、JRのディーセル車を改造した列車です。

<函館駅>
JR函館駅は、かつて青函連絡船の離発着駅ということでとても栄えました。しかし、青函トンネルが開通し、連絡船が廃止された現在は、ひっそりとした駅に変貌してしまいました。ここ数年で駅舎が改築され、連絡船への引き込み線が無くなり、かつての面影が急速になくなってしまいとても残念です。連絡船が運行されていた頃は、札幌方面から函館本線を走ってきた列車が、そのまま連絡船に引き込まれ船に乗って海を渡っていたのです。そして、青森で再び線路に接続され南に向かって走っていたのです。函館はこのとても面白い鉄道システムを有していながら、簡単にその遺稿を消滅させてしまいました。とはいっても、現在でもちょっとだけ引き込み線跡を見ることができます。駅の奥に連絡線が接岸した岸壁とそこに向かう線路が残されています。


北斗車両(キハ281系)。運賃はスーパー北斗と同じです

では、今回は北斗に乗り函館を出発し、札幌へと向かってみましょう。

まず駅で駅弁を物色します。函館は駅弁が豊富な駅ですので、北斗に乗るときは、できるだけ駅弁を食べられる時間にあわせるべきです。函館駅の人気駅弁はいかめし、つぶ貝弁当、鮭親子弁当、うにいくら弁当など地元でとれた海産物を中心に据えた弁当です。子供にはトンネル弁当が人気のようです。私のお気に入りは数量限定の鮭ハラス弁当です。函館駅で売られる弁当は全体的にしょっぱい傾向にありますので、飲み物も購入したほうがいいでしょう。

駅を出ると、北斗は、スピードを加速します。といっても函館本線は電化されていませんので、ディーゼル車っぽくのんびりと走行します。そして、しばらくすると大沼近辺を抜けます。このあたりは沢山の湖が点在しとてもきれいです。さらに進むと、前方に雄大な駒ヶ岳が見えてきます。この景色はとても北海道らしく誰もがしばらく見とれてしまうでしょう。このあたりは線路が曲がりくねっており、スーパー北斗に乗ると振り子の実感が体験できます。カーブの際に内側に車両が倒れ込み遠心力の影響を受けることなくカーブを突き進んで聞きます。この感覚は、ほかの列車ではあまり感じることがないので、是非注意してみてください。長万部を超えると、進行方向右側に海が見えてきます。この形式は千歳近くまで続きます。寒い季節の夜になると、海に烏賊漁船から発せられるとても明るい漁り火を見ることができます。

北斗は、このあと洞爺を通過します。この駅ではウィンザー洞爺ホテルの従業員がゲストを迎える姿を見ることができます。このホテルは日本有数の名ホテルで、たくさんの人が日本全国からこのホテルを目指してやってきます。ほとんどのお客は北斗で来るようで、かなりの人数がここで下車していき、また、ホテルから帰る客が乗り込んできます。駅自体はローカルなのですが、洒落た女性たちが乗り降りする風景がミスマッチで面白いです。ホテル自体は大変素晴らしく、サービスも料理もとても満足度が高いので、ここで宿泊するのもいいかもしれません。

北斗は、さらに北上を続け鉄鋼の町、室蘭を通過します。この町には大きな製鉄所が乱立しており、他とは異質な風景となります。そして、室蘭を過ぎると登別を通過します。ご存じの通り、登別は温泉地として有名です。このえきでも、沢山の人が乗り降りします。駅前には登別マリンパークニクスという地方によくある寂れたテーマパークがあります。こういう風景を見ると、地方に来たなあという寂しい気分になりますが、その奥にある登別温泉は行く価値があります。湯量が豊富で長い歴史を持つ登別温泉で1泊するのが函館本線を利用した旅行で一番の楽しみになるのではないでしょうか。

登別を過ぎると次第に、景色は「自然」から「地方都市」へと移っていきます。そして千歳あたりからは、地方在来線となります。そして札幌到着。

このスーパー北斗の旅は、函館、札幌の2都市を楽しむ方法と、登別や洞爺で宿泊するケースが考えられます。どちらも満足度の高い鉄道の旅になるのではないでしょうか。


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