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Go West ! ルート66 の旅 4/8 <カンザス州 & オクラホマ州> [>route 66]


 

ルート66を東から西にトレースする旅、第4回目です。今回は、カンザス州とオクラホマ州の途中までをお伝えしていこうと思います。

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皆さんから「雪」の指摘を頂きます。私が旅したのは12月末なので、シカゴからアリゾナ州にかけては雪が降っておりほぼ全行程が雪でした。レンタカーは運良く4WDを借りることができました。一応保険はフルカバー、途中立ち往生したときも直ぐに助けに来てくれるサービスにも入り安全対策は取りましたが、やはり道中は危険が沢山ありました。もし降雪時期にルート66を旅する計画をお持ちの方は、なるべく避けたほうが良いというのが経験者からのメッセージです。ただ、雪の降っている中西部の風景はなんとも美しく、途中車を止めて荒野に降る雪を眺めてしまったのも事実です。

 

では、前回の最後カーセージの街を出発しましょう。

まずは、ミズーリ州カーセージを出てジョップリン(Joplin)を目指します。このあたりにはとても細かくルート66の表示が出ていますが、道がとにかく複雑です。右に曲がり左に曲がりと繰り返し、かなりの時間を費やしてしまいました。しかし、州間高速からかなり離れたこの旧道には見所が満載です。昔ながらの景色の残る名もない小さな街、かつてあった古い橋、既に営業をやめてしまったガソリンスタンドなどが次々と現れます。そんなのんびりとした田舎道を走り続けるとやっとカンザス州に入ります。

ルート66は、ほんのちょっとだけカンザス州を走ります。ゆっくり走ると30分ほどです。ルート66の取って代わった州間高速44号線は、ミズーリ州からオクラホマ州に直接入ってしまうのでカンザス州は通りません。カンザス州の住人は、このちょっとだけ自分の州を通るルート66をとても誇りに思っているようで、今でも大切に歴史遺産を扱っていることがわかりました。

 

<カンザス州>

カンザス州と聞いて皆さんは何を想像しますか?私は「オズの魔法使い」しか思いつきません。子供の頃テレビで見た「オズの魔法使い」は強烈に私の印象に残り、以後自分の人生に影響を与えるほどでした。その映画の舞台がカンザスでした。実は「スーパーマン」の故郷スモールビルもカンザス州にあるのだそうです。実際に行ってみると、とにかく何もない州というのがカンザス州でした。アメリカのほぼ真ん中に位置していてグレートプレーンズと呼ばれる大平原地帯にあります。とにかく平らな土地がぐるっと360度続いています。唯一大きな街はウィチタという街です。ここには航空産業がありますが、そのほかの地区は牧畜が主要産業です。これだけ平らだと竜巻は起こりやすく、夏になると竜巻警報が良く出るそうです。竜巻による被害は年々増えているそうで、このあたりの住人の一番の悩みになっています。

 

Eisler Bros. Grocery Store

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カンザス州に入るとはじめにあるのがリバートン(Riverton)という街です。ルート66上に有名な雑貨屋さんがあります。ここは、前に立ちよったBill Shea Gas Standのようにルート66を旅する観光客向けに営業しているお土産物やです。私はあまり感心しませんでしたがルート66のグッズや飲み物などを売っています。古い建物は哀愁が漂い、古き良きアメリカを感じられる建物です。

 

Rainbow Bridge

リバートンと次のバクスター・スプリングスとの間には古いレインボーブリッジが残っています。普通に走ると見逃してしまいますが、昔ここを旅人が渡っていったのでしょう。今では使われることがほとんどなくなった古い橋にはどこか寂しさが感じられました。

 

Murphy's CAFE ON THE ROUTE

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まるで西部劇の街のようなバクスター・スプリングス(Baxter Springs)。ルート66は、この街のメインストリートになります。メインストリートの両側にはとても古い2階建ての建物が100mくらい並んでいます。昔は、ここでガンマンの撃ち合いが行われていたのだろうと想像できます。

そんな建物のひとつにこのカフェがあります。街の住人もよく利用しているようで繁盛していました。メニューはアメリカのどこにでもあるような内容ですが、缶詰などを使わずここで丁寧に調理されています。このカフェ、店のロゴもかっこいいのですが、内装もがんばっています。この旅を通して感じたことですが、このようなとても田舎の町なのに洒落たレストランが点在しているのです。日本で田舎に行くと洒落たレストランはオープンしても直ぐに潰れてしまいます。アメリカ人は、こういうがんばっている店を大切にして買い支えているようです。田舎街にある洒落たカフェに出会うと、アメリカ中西部の心の広さを感じる瞬間です。

 

<オクラホマ州>

カンザスを抜けるとそこはオクラホマ州です。私にはオクラホマ州に対するイメージは殆どありません。ひとつだけ映画「愛と青春の旅立ち」の中で、オクラホマ出身の新兵に対し上官が「オクラホマには牛とゲイしかいない!」と言っていたことくらいしか馴染みのない州です。本当にオクラホマには牛とゲイしかいないのか?それは勿論間違いです。オクラホマは予想に反しとても豊かな土地でした。

オクラホマ州には世界最大の牧畜取引所があります。それほどおくの牛や豚を飼育しているのです。そしてアメリカのネイティブであるインディアン達がこの土地に沢山住んでいます。彼らは自分たちの土地を奪われ迫害され、この地にやってきました。インディアンの辛い歴史を説明すると長くなるので割愛しますが、車で走ると、それまで白人しかいなかったイリノイ、ミズーリ、カンザスとは異なりおおくの日本人に似たネイティブ・アメリカンと出会うことができます。ネイティブ・アメリカンにはカジノを運営する許可が出されているので、カンザスを旅していると突然ネオンがギラギラしたカジノに出会います。ここもかつては先住民が運営していましたが、彼らにビジネスセンスがなく赤字に陥り、おおくがアメリカ資本に買収されてしまっています。

 

 

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Blue Whale
オクラホマに入り2時間弱ルート66を走ると、タルサ(Tulsa)という大きな街に入ります。その手前にカトゥーサ(Catoosa)という小さな街があります。そこにブルー・ホエールがあります。ルート66関連の書籍やウェブサイトには必ず出てくる大きな鯨です。私もルート66の旅の中で一番楽しみにしていたスポットのひとつです。

小さな池にあるクジラ、これは、かつてこの近くに住んでいた人が子供のために作った遊技物です。おおきなクジラは口の部分が陸地に接続しており、口の部分から尻尾にかけてデッキとなっています。ヒレの部分は滑り台となっており、中から池に滑り降りることができます。尻尾の手前には階段が付いていて、そこからも池に入れます。尻尾の上と頭の部分には子供が上れるようになっています。要は子供のためのプールにある滑り台のような遊技物なのです。

このブルー・ホエール、設置時におおくの人が使いたくなったようで、直ぐに営業を開始したそうです。それに伴い、入り口にはゲートが設けられ、トイレやピクニックエリアせが設置されました。80年代に営業が中止されるまでは、このあたりの夏の楽しみになっていたそうです。

営業が中止され放置されていたクジラくんは、その後、地元民によってメンテナンスが行われています。

 

Greenwood Hist. District

カトゥーサを通り過ぎると、オクラホマ州第2の都市、タルサが現れます。高層ビルもありなかなか大きな街です。シカゴからルート66を走ってくると、おそらくシカゴ、セントルイスに次ぐ大きな街ではないでしょうか。タルサに入るとルート66は、11th St.となります。現在の11th St.がかつての旧道ですが、大きな街なので、古き良きアメリカのイメージは既に破壊され新しい建物になってしまっているのが残念です。この街にはグリーンウッド歴史地区として古いタルサが保存されています。ここを見て回るとちょっとだけルート66が全盛だった頃の雰囲気を感じることができます。

 

Rock Cafe

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タルサからオクラホマ州最大の都市、オクラホマ・シティまでの間は、また田舎の景色が2時間以上続きます。イリノイ州はひたすらトウモロコシ畑でしたが、このあたりはひたすら牧場です。沢山の牛が放牧されています。意外と牛の種類が多彩で驚きました。時々馬の牧場もありました。そんなのどかな風景を見ながら走っているとストラウド(Stroud)という街に入ります。そこにロック・カフェがあります。このあたりから実は景色が一変します。相変わらず土地は平らなのですが土の色が変わるのです。辺り一面とにかく赤いのです。

そして街の建物も赤くなります。おそらく地元の土を練り込んだ壁材を使っているのでしょう。石作りの建物も赤いのです。ロック・カフェは、そんな建物のひとつです。建てられてからかなりの年月が経っているので色は変化していますが、この色の建物はこのあたりからアリゾナ州まで頻繁に目にすることになります。

カフェ自体は地元民で賑わっています。街にはそれほど人が住んでいないようなのですが、店は満員です。かなり遠くの農場からかなりの時間をかけてここのカフェに集っているのだと思います。

このカフェの周辺にはいくつかのルート66グッズの店もありました。

 

Phillips 66 Station

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ルート66沿いにはフィリップス66という名前のガソリンスタンドが沢山あります。そのうち半分は現在も営業中、半分は営業を止めてから長い年月が経っているうち捨てられたスタンドです。現在、ルート66を旅する旅行者にとってフィリップス66は、ガソリンを入れトイレに行く休憩ポイントであり、古き良きアメリカのイメージを残したまま時間の流れに取り残された撮影ポイントでもあります。後者の典型がチャンドラー(Chandler)にもあります。ポンプ式の機会には、大きなガラスの瓶があり、そこにピンク色のガソリンがたまります。瓶に付いているメモリでガソリンの量をはかり車に流し込んだのです。その時代に生きたわけではありませんが懐かしくなるスタンドです。

 

Round Barn

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チャンドラーから1時間ほど走っているのに小さな街を1つ過ぎ、大都市オクラホマ・シティの手前にある最後のとても小さな街、アルカディア(Arcadia)。ここにラウンド・バーンがあります。丸い納屋なのですが、何故丸いかはわからないそうです。一説には竜巻に強いからだそうですが、とても見事なアールをした大きな納屋でした。この納屋、かなりの数があったそうですが近代的な鉄骨製の納屋が増え、殆どが壊され、最後に残ったこの納屋も手入れせず放置されていたそうです。しかし近年ルート66復興の動きがあり、観光客が訪れるようになったことで、地元の人たちがレストアし、現在はかつての美しい姿に戻ったそうです。

夕日を浴びたラウンド・バーンはとても美しくいつまでも見ていたい景色でした。

 

Hillbillys

ラウンド・バーンの向かいにとても美味しいハンバーガーやさんがあるとある本で読み、今回の旅行でとても楽しみにしていました。しかし、どうやらクローズしてしまったようです。とても残念でした。

 

POPs

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アルカディアのルート66上に突然近代的な建物が見えてきます。これはレストラン、ショップを含むガソリンスタンド「POPs」です。大きなボトルの形をしたモニュメントは夜になると美しくライトアップされます。この建物、当然ここ数年で建てられた新しいものですが、今やルート66の新しいモニュメントとして定着しています。この店、結構がんばっていて、ガソリンスタンドのポンプは、昔懐かしい形をしていますが実は最新式、ショップでは400を越えるボトルに入ったジュースを販売しています。全米から集めた様々なタイプのボトルは壮観です。そして全てのドリンクを購入することができます。レストランはダイナー風で、ボトルジュースとハンバーガーが人気です。アルカディアの人口は279人です。でもPOPsには沢山の人が押し寄せてきています。それも若者ばかりです。たぶんこの先にあるオクラホマ・シティに住んでいる若者にとってちょうど良いデートスポットなのでしょう。人気のない場所に忽然と建っている巨大建築物、人気のないのに満員のレストラン、なんだか不思議な光景でした。

 

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さて、次回はオクラホマ・シティを通過し、次の州テキサスとの州境までを記そうと思います。

お楽しみに!     

 


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コメント 7

One-for-you

まもなくAZですねw
続編を、楽しみにしております
by One-for-you (2010-01-13 23:44) 

kuwachan

日本でも雪景色には思わず目を奪われますね☆
by kuwachan (2010-01-14 00:40) 

サットン

POP'sのモニュメント、目立つでしょうね!
日本だったら確実に景観論争を引き起こしそうです。
by サットン (2010-01-14 15:08) 

かおり

カンザスといえば「オズの魔法使い」ですよー(笑)
竜巻と聞いてもやっぱり思い浮かべてしまいますねー^^
Travelerさんのおっしゃるとおり、日本の田舎のほうでがんばっているお店が
大切にされていないのがキニナルこのごろ・・・
残るのはありきたりの土産物屋だけになってしまいそうです
青いクジラ、地元の人々に大切にされているんですね♥
by かおり (2010-01-15 00:28) 

Traveler

One-for-youさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
だんだん、自然の景色が凄いことになってきます。
ニューメキシコ州、アリゾナ州は、驚く景色の連続でしたよ。
by Traveler (2010-01-19 11:03) 

Traveler

kuwachanさん、こんにちは。
写真で見ると綺麗ですが、旅行は危険でした(笑)。
by Traveler (2010-01-19 11:04) 

Traveler

かおりさん、こんにちは。
アメリカの田舎、予想していたよりもずっと素敵な場所でした。
また、アメリカの田舎を旅行してみたいです。
by Traveler (2010-01-19 11:05) 

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