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グランドサークルとルート66を巡る7日間 6/8 [>grand circle]

<モニュメントバレーからグランドキャニオンへ>

朝、起きると、まだ真っ暗でした。でも東の空がなんとなく明るくなっています。部屋にはバルコニーがついているので、そこでなんとなく外を眺めていました。それにしても寒い!そういえばロサンゼルスで購入したダウンがありました。それを着て眺めていると空が急に明るくなってきました。日の出まであと20分くらいあるのですが、朝日は既に闇を浸食しています。遠くにモニュメントバレーのシルエットが見えてきました。時間が経つにつれ空が明るくなってきました。あー、なんて綺麗なのでしょう。モニュメントバレーが朝日に照らされてくっきりと見えてきました。すると隣のバルコニーからシャッターを切る音が。友人もこの日の出を見ていたようです。

モニュメントバレーの日の出を満喫した我々は、ホテルをチェックインして、出発しました。まずホテルの経営するガソリンスタンドで給油し、そこに付随するコンビニで朝食を食べました。私はブリトーを食べたのですが結構美味しかったです。

今日の予定は、モニュメントバレーからグランドキャニオンに直接向かうはずでしたが、昨日行くはずだったフォーコーナーに行くことになりました。方向は魔逆なので、モニュメントバレーを出て一度東に向かい、フォーコーナーズでUターンして、またモニュメントバレーを通過し、西にあるグランドキャニオンに向かいます。ちょっと無駄に思われましたが、結果これが大正解となります。

モニュメントバレーを出発しR160を昨日とは反対方向に走ります。そして暫く走り後ろを向くと、今回の旅行で一番感動した景色に遭遇しました。なんともいえない景色です。また「すげー!凄いよ、ホント」と絶叫してしまいました。この場所は映画「フォレスト・ガンプ」が走るのをやめるところですね。写真では、あの感動を切り取ることができないのが残念です。視界にはもっともっと凄い景色が確認できたのです。

しばらくこの景色を見て、車に乗り込みメキシカンハットという街を目指しました。この街はケイヤンタよりは小さいですが、そこそこの大きさの街です。この街の名前の由来は直ぐにわかります。どこからでも見えるこの岩。

メキシコ人が帽子をかぶっている姿にそっくりです。

メキシカンハットを通り過ぎ、我々は寄り道をすることにしました。「グースネック州立公園 - Goosenecks State Park -」です。看板はでていましたが、辿り着くまでは1本道があるだけです。果たしてどんな公園なのでしょう。道は、途中でとぎれていました。ここが公園?と思って車を降りると、その先は渓谷になっているようでした。さらに近づくと!ああー、なんなんだ!これはぁぁ...... そこには信じられない景色が現れました。蛇行する川が大地を削り取っているのです。狭いところは90メートルだそうです。深さはかなりあります。これは凄い。そして怖い。だって、柵とかないんですよ。一歩間違えたら、この深い深い谷に落っこちてしまいます。あー、怖い怖い。

感動とはちょっと違いますが、この光景は人生で一番驚いた景色かもしれません。
次は、さらに寄り道をすることになりました。グースネックから30分ほどのミューリーポイントという場所にいってみることにしました。そこはいったいどんなところなのでしょう。

ミューリーポイントは、公園に指定されているわけでもなく、ただの展望台のようです。まずは、地図にある方向に走り出します。しかし、道の先にはかなり高い切り立った断崖があるのです。さて、この先、道はどこにいくのでしょう。どう考えても迂回できるほど、正面の断崖は小さくありません。というより巨大すぎます。もしかしたらトンネルがあって、この大きな山を通り越すのでのかなあ、そうに違いない。こんな田舎にトンネルを掘るなんて無駄なことするなあ、などと考えながら直進します。

すると、道はついに断崖につきあたってしまいました。正面の断崖はシーダメサというそうです。道にはなにやら標識がいくつも立っています。大型車や長い車両は迂回せよ、路肩がもろい、舗装がなくなる.....。とにかく警戒するような標識ばかりです。あれ、トンネルはないのかな?実は、この道は、目の前の断崖を上っていくのでした。かなり怯みましたが、ここまで来たので上ってみようということになりました。

いざ、登り始めると、道は舗装されていなく、かなりの急勾配を登っていきます。4WDじゃなかったらちょっと辛いかもしれません。さらに晴れているからいいですが、雨だったら絶対にやめるべきです。それほど危ない坂道でした。場所によっては道幅も狭く、結構ドキドキします。この坂道を登り切ると、眼下には壮大な平野を見ることができました。といっても眼下の平野は、標高が高く、それより低いところに、グースネックがあるんです。それを考えると、ここの標高はどのくらいなのでしょう。かなり高いということになります。

シーダメサの上に辿り着き、ミューリーポイントを目指します。看板もなく道は未舗装です。こんなところ事前のリサーチがなければ絶対に来れません。本当にこの先が目指すポイントなのかよくわかりませんが、今いるところはメサという巨大な岩山なのだから、端に行けばその先からの景色は壮大なはずです。とりあえず、この岩山の行き止まりまで車を走らせます。すると、だんだん景色が見えてきました。ちょっと怖いくらい高いところにいるのがわかってきました。

「わー、すんごい!凄い!」もうこれしか言えません。ついたところは、何の整備もされていない岩山の突端です。そこからは、遙か数十キロ先まで見通せます。地平線のあたりにはモニュメントバレーも見えます。直下には川が蛇行して流れています。グースネックもふぉこかにあるのでしょう。直下は怖くてあまり見ることができませんでした。私は高所恐怖症ではないのですが、柵もないしとにかく怖くて怖くてたまりません。

そこには車が2台泊まっていて、2家族が写真を撮っていました。彼らは断崖の際を走ったりしています。ここは標高が高いので結構強い風が吹いていて、本当に一歩間違ったら谷底に落っこちてしまいます。危ないよー、と注意しても気にしていません。娘さんは、頂の岩と岩を飛び越えたりしています「あー、危ない!」といっても平気です。もしかして、先にはまだ岩があるのかなと思って頂に行ってみると、その先は数百メートル落差のある絶壁でした。怖さで言うと、先ほどのグースネックの数倍上です。
すると、家族のお父さんが近づいてきていろいろと質問を始めました。彼は、ここよりもっと素晴らしい場所があると説明してくれました。そして暫くこの危険な場所で話をするうちに、なんだか仲良くなり、今から一緒にそこに行こうということになりました。でも、その場所はキャニオンランズ国立公園の中にあるので、もしそこを目指す場合は、今後の旅のスケジュールを大幅に変更しなければなりません。我々は丁寧にお断りして、ここを後にしました。

そして、来た道を今度は下るという試練が待ち受けていました。下りる方が怖かったです。下りきったときは正に「地に足が着く」感じでした。
そして、フォーコーナーズを目指します。

アメリカの地図を見てください。アメリカの州は結構ざっくりと州境を決めているので直線がおおいです。中には真四角の州があったりします。でも4州の境界線が十字に交わっているのは1ポイントしかありません。ここがフォーコーナーズです。ユタ州、オレゴン州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の4州が交わっている、ただそれだけの場所です。我々はその1点を目指し東に走りました。途中、「地球の歩き方」の地図の道路番号が間違っていて道に迷ってしまいました。でも進む方向はわかっていたので東に進むと、未舗装路になり、さらにとんでもない油田地帯に迷い込んでしまいました。ここはもう道ではありません。惑星の表目のようなところをすすみ(後戻りできないくらいの悪路に入り込んでしまったのです)、ここでかなりのタイムロスをしてしまいました。その後、舗装路に出たのですが、どの地図にもその道路は記載されておらず、仕方がないので、とりあえず方向だけ確認して走りました。そして、遂にフォーコーナーズに到着です。

予想はしていましたが、周りにはなにもなく、ただ、ポイントを示すマークがあるだけでした。はあ。

一応、写真撮影をして、直ぐに引き返しました。帰り道でやはり「地球の歩き方」の地図が間違っていることを確認。昔よりはましになりましたが、やはり間違いはありますね。
悪路を除き、来た道を引き返しました。そして再びモニュメントバレーを通過します。綺麗です。美しいです。そして朝とは違う顔を見せてくれました。モニュメントバレーは、時間によって日の当たり方がかわり、全く違う表情を見せるのですね。

我々は、モニュメントバレーを見ながら、グランドキャニオンを目指します。なんとしても夕暮れのグランドキャニオンを見たかったので、ペースをあげました。R160をチューバシティまで3時間走ります。この道はとてもつまらない道です。何もイベントがありません。とにかく走るのみです。ただただひたすら走りました。途中、パトカーにつけられたりして、ちょっとスリルがありましたが、あのくらいのスリルがないと飽きてしまいます。

テューバシティの手前辺りで、北の空に怪しい雲があらわれました。そして突然大雨が降ってきました。かなり強い雨です。しかし10分も走ると快晴になりました。
テューバシティを過ぎると、今度は北に赤い砂嵐があらわれました。まるで「ツイスター」を見ているように、目の前の大地の砂が巻き上げられ固まりになっていきました。これはかなり大きな砂嵐です。その赤い固まりはどう考えても我々の進む方向に動いてきています。大丈夫かなあ。と思っていた瞬間、赤い砂嵐は私たちの車を飲み込みました。車は宙に持ち上げられてしまったかのごとく揺れました。でも、かろうじて道に接地しています。アクセルを踏んで、なんとかこの嵐から脱出しました。車の後ろから赤い固まりが追っかけてきます。でも、車の速度のほうが速いようで、なんとかこの危機を脱しました。

そして、グランドキャニオンに入ります。


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コメント 11

はじめまして、ナイスありがとう。
グランドキャニオンはいい場所。行きたい場所のひとつです。
大自然の大きさが伝わります。
by (2006-11-03 10:04) 

Traveler

nekoさん、これからも宜しくお願いします。
by Traveler (2006-11-03 11:48) 

かおり

ただそこにあるだけで感動できる景色がこんなにたくさん
あっていいのでしょうか?^^
フォレストガンプのあのシーン・・・浮かびます♪
でっかいアメリカ体験!興味アリアリです!!
フォーコーナーズの意味も初めて知りましたが
肩透かし・・・だったんですね(笑)
by かおり (2006-11-03 19:27) 

YAP

モニュメントバレーにまっすぐ続く道の写真、すばらしいですね!
その場で実際に見たら、感動するに違いありませんね。
私も自分の目で見てみたいものです。
フォーコーナーズ、Travelerさんはがっかりしたクチですか。
細かい話ではあるのですが、オレゴンではなく、コロラドですね。
失礼しました。
by YAP (2006-11-03 20:05) 

みっきぃ

地球誕生の神秘に触れている~~感じがします!!(ちょっとオーバー)
羨ましい~~行きたい~などと支離滅裂になりながら
最終結論・・・まずは英会話勉強しなきゃ・・・
by みっきぃ (2006-11-03 22:31) 

Traveler

青い花さん、こんにちは。フォーコーナーは肩すかしではなかったのですが、予想通りでした。
次回をお楽しみに!
by Traveler (2006-11-03 23:32) 

Traveler

YAPさん、こんにちは。そうでした、コロラドですね。
がっかりというか、やっぱりでした。
モニュメントバレーの写真。道の真ん中の白いのは雲なんです。予想以上に距離があります。
by Traveler (2006-11-03 23:34) 

Traveler

みっきぃさん、こんにちは。
英語はできなくても問題ないと思いますよ。
by Traveler (2006-11-03 23:35) 

noppi

実際に目の当たりにした時の雰囲気は、なかなか写真では表現しきれませんよね。それでもモニュメントバレーの写真、素晴らしいです。
by noppi (2006-11-04 15:11) 

モニュメントバレーは大好きな場所のひとつです。
なぜか自然と泣けてくる場所で、
赤い土の持つ不思議な魔力に癒されるような感じがします。
ところで、フォーコーナーズでは四つんばいにならなかったのですか?
わたしはやっちゃいました(あは)。
by (2006-11-05 15:58) 

Traveler

noppiさん、ありがとうございます。
そうなんですよ。あの大自然の雄大さは肉眼でないとわかりませんよね。
by Traveler (2006-11-05 18:10) 

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