SSブログ

グランドサークルとルート66を巡る7日間 5/8 [>grand circle]

<フラッグスタッフからモニュメントバレーへ その2>

朝フラッグスタッフを出発し、ルート66を東へ向かってギャラップというニューメキシコ州の小さな街までやってきました。そして、ここからルート66を離れ、大自然を見て回る旅となります。

まずは、「キャニオン・デ・シェイ国定公園 - Canyon de Chelly National Monument -」を目指します。コロラド・プラトーという標高2000メートルを超える高原をひた走ります。このあたりは、インディアン居住区だそうで、高原のところどころに小さな集落があります。道沿いには時々スーパーとガソリンスタンドがある小さな街が出現しますが、立ち寄ると店員やお客さんはネイティブ・アメリカンばかりでした。なんとなく日本人に似ているので、日本の田舎に来たような気持ちになります。

キャニオン・デ・シェイ国定公園までは、比較的単調な景色が続きます。変わることといえば、標高の差なのでしょうか、砂漠地帯と木々が生い茂る緑地帯が交互に現れることくらいです。キャニオン・デ・シェイ国定公園のゲートシティは、R191沿いにあるチンリーという街です。この街も決して大きい街ではありません。でも一応モーテルもあり、宿泊も可能です。ここから車で10分くらい東に公園はあります。キャニオン・デ・シェイとは、スペイン語で「岩の渓谷」という意味の言葉が変化したものだそうです。42Kmに渡り、渓谷が続いています。イメージとしてはグランドキャニオンの小型版といったところでしょうか。ここも、高原から低い位置に渓谷が広がっており、車でこの公園に近づいても特に何も見えません。公園に入ると、突然地面が裂けていて眼下に渓谷が出現するのです。この渓谷の特徴は、かつて原住民が住んでいた遺跡がおおく見つかっていることです。今でもそれらをみることができます。でも、ここに住んでいた原住民は、14世紀ごろ突然消えてしまい、今もその理由はわからないそうです。

「キャニオン・デ・シェイ国定公園 - Canyon de Chelly National Monument -」
www.nps.gov/meve

キャニオン・デ・シェイ国定公園を軽く見学した後、我々は北に向かいました。予想より時間がかかってしまい、今日はフォーコーナーに行くことを断念し、直接モニュメント・バレーを目指すことにしました。なんとしても、モニュメント・バレーの夕景を見たかったからです。キャニオン・デ・シェイからモニュメント・バレーまで車で約3時間。うまくいけば丁度夕景が見られるはずです。

R191を北上していくと、正面にモニュメント・バレーに似た大きな岩山が見えてきました。ずいぶん近いなあと思っていると、この山はモニュメント・バレーではないことがわかってきました。この辺りには、このような岩山がおおく存在するようです。車で近づくとその岩山はかなり大きく、驚かされます。この岩山を迂回する形でR191は北上していきます。さらに北に進むと、またまた驚くべき景色が現れてきます。高原が何かに浸食され垂直になっているのですが、この浸食が続くと、きっとモニュメント・バレーのような形になるのではないかと想像させられるものでした。うまく表現できませんが、モニュメント・バレーができあがる課程を見せられているようです。R191は、この渓谷を下りたり上ったりします。そのたびに視点が渓谷の上になったり、下から見上げたりできます。車を運転していても、このあたりは飽きることなく、驚きの連続でした。

R191はR160とTの字でぶつかります。地図によると、この交差点がメキシカン・ウォーターという街です。このあたりで休憩しようと思ったら、なんと、そこには何もありませんでした。今回の旅行では、このように地図には街のように表記されていても、行ってみるとそこには何もないということが何回かありました。仕方がないのでR160を西に向かいます。そしてモニュメント・バレーのゲートシティであるケイヤンタを目指します。このR160沿いの景色もなかなか面白いものでした。かなりとんがった山や、ブライス・キャニオンの出来損ないのような渓谷が次々に現れます。だんだん、奇怪な岩が増えてきて、モニュメント・バレーに近づいているのが実感できます。きっと飛行機でモニュメント・バレーを訪れる人はこのワクワク感が味わえないでしょう。車でアプローチする醍醐味です。

R160を1時間ほど走り続けるとケイヤンタの街に入ります。ここでR163に入り、北上します。モニュメント・バレーはすぐ近くです。なんとか日没前に目的地に着けそうです。ケイヤンタには、モーテルや大きなショッピングセンターがあり、賑わっていました。モニュメント・バレーを訪れる人のほとんどはここに宿泊するのでしょう。私たちは、モニュメント・バレー内で唯一のロッジであるグールディングス・ロッジに予約が取れているので、この街は通り過ぎます。

しばらく走ると、遂に遂に、映画で何度も見た「モニュメント・バレー - Monument Valley -」が見えてきました。ここは、ナバホ・インディアン自治区に位置しているので国立公園ではありません。インディアンが独自に管理しています。この景色は映画やCMで何度も見ているのですが、それはほんの一部だと言うことがわかりました。とにかく視野に入りきらないほどもの凄い景色です。この驚きはグランドキャニオンより大きかったです。頭の中には「駅馬車」の音楽と「Back to the Future Part 3」の音楽が鳴り響いていました。

モニュメント・バレーがどんどん近づいてきます。我々はロッジにチェック・インすることなく、直接モニュメント・バレーに向かいました。入場料を払い車でそのまま敷地内を走りました。縦長の岩山をビュート、それよりも大きい横長の岩山をメサと呼ぶそうです。本来ならば車をインフォメーション・センターに止めてナバホの人々が行っているバンによるツアーに参加するそうですが、我々は、このために借りた4WDで直接敷地に乗り入れました。予想以上の悪路に驚きながら、間近にビュートやメサを見上げ「凄い!凄い!」と大声をあげていました。時間はちょうどマジック・アウアー。そう、夕陽がビュートを真っ赤に照らしています。この幻想的な景色を日が沈むまで堪能しました。

やはり、ここも高原が削り取られてできていました。ビュートに近づくまでは、フラットな草原でしたが、ビュートの周りは大地が浸食されでこぼこの荒野でした。いろいろと本を読んだのですが、この形ができるまで様々な偶然と年月がかかったことがわかりました。それにしてもあまりにも「ありえない」景色と夕焼けに染まるビュートの美しさに絶句しました。生きてて良かったと思えた瞬間です。

日が沈むと、一気にあたりは暗くなります。我々はこの場所から退去しなくてはなりませんでした。無謀にも普通の車でここに入り込んでしまった観光客は、車がスタックしてしまい、身動きがとれなくなっていました。彼らはナバホの人々が助けてくれるみたいです。我々は、ロッジを目指しました。

ロッジは、ジョン・フォード監督が映画撮影時に宿泊していたところだそうで、各部屋からはモニュメント・バレーが一望でるそうです。私の泊まった部屋はモニュメント・バレーに一番近い建物の2階です。でも部屋に入った時はすでに真っ暗だったので、どういうふうに見えるのかわかりませんでした。

チェック・インを住ませ、ホテルのレストランで食事をしました。ここでは、酒は飲めません。ナバホ族自治区では酒は禁止されているようです。食事を済ませ、早々に我々は各自の部屋に戻りました。
翌日、早起きしてモニュメント・バレーの日の出を見るためです。


nice!(6)  コメント(6)  トラックバック(4) 
共通テーマ:旅行

nice! 6

コメント 6

nanako

初めまして、
コメントありがとうございました!

私もここ行きました!
ロッジも泊まりましたよ!!
素敵な場所ですよね~♪

もし良かったら旅行のカテゴリーに
色々と過去の旅行を写真付きで載せてます☆
by nanako (2006-11-02 13:40) 

かおり

Travelerさんの興奮が伝わってきました♪
こうして写真だけ拝見すると!”あ~どこかで見たことある”(映像で)
とは思いますが、自力でそこへ近づいていく感覚、自然の造詣に対する
畏敬の念、感動、独り占めしたような高揚感まで
おすそ分けしていただきました^^ありがとうございます。
夕日に染まるビュート、本物を見てみたくなりました
by かおり (2006-11-02 16:47) 

Traveler

nanakoさん、こんにちは。早速拝見しました。
これからも宜しくお願いします。
by Traveler (2006-11-02 16:53) 

Traveler

青い花さん、こんにちは。
そうなんです。写真では、表現できない自然のすばらしさをお伝えしたいのですが、なかなかうまくいきません。引き続きがんばってみますね。
by Traveler (2006-11-02 16:54) 

ako

初めまして、コメントありがとうございました。
モニュメントバレーの景色、素敵ですね。そして、イメージしていたよりもすごい大きい!
いつか自分の目で見に行ってみたいです。
by ako (2006-11-02 22:25) 

Traveler

akoさん、こんにちは。
これからも宜しくお願いします。
by Traveler (2006-11-03 05:31) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 4

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。