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グランドサークルとルート66を巡る7日間 3/8 [>grand circle]

朝、7時30分にホテルのロビー集合し、いよいよグランドサークルの旅に出発です。グランドサークルとは、アメリカ西海岸にある8つの国立公園と16の国定公園を総称して言うそうです。驚異の大自然と先住民族の歴史と文化に彩られたこの地は、アメリカではポピュラーな観光地だそうです。今回はその半分を回るツアーです。半分といってもかなり広範囲になるので数日で回るのは大変です。

今日は、まずロサンゼルスを出て、行けるところまで東に進みます。私の予想だと、474マイル先のフラッグスタッフというアリゾナの街まで行けるはずです。一応フラッグスタッフの街にあるホリデイ・インに予約を入れておきました。
そして、今日のルートは、ほぼ「ルート66」をトレースして進みます。「ルート66」は大陸を横断する国道として、アメリカ合衆国南西部の経済・産業の発展に大きく寄与した国道です。人々はこの国道によって栄え、州間高速道路網の建設が進んでもなお、この国道を守るために立ちあがりました。20世紀中盤の映画や音楽などポップ・カルチャーの中にも多く登場し、多くの人々に愛された道です。最近では映画「カーズ」もここが舞台でした。1985年、国道66号線は廃線となり、州間高速道路に取って代わられることになりました。現在では、旧国道66号線(Historic Route 66)として、国指定景観街道(National Scenic Byway)に指定されています。ルート66は、現在、場所により様々なストリート名が付けられていますが、今回はこれら旧ルート66を「ルート66」と記します。

まずは、ホテルの近くのスターバックスでコーヒーを購入し、スタート!
RT10を東に進みました。この道を1時間ほど走ると、ラスベガス方向に北上するのですが、今回はちょっと寄り道をします。RT10のすぐ南側を平行して走るRT60を使い、映画「Back to the Future」のロケ場所となったモールに立ち寄りました。といっても朝早いのでモールはまだオープンしていません。目的は映画でデロリアンが過去にタイムトリップするモールの駐車場にあるのです。二人で映画の光景を思い出しながら近くのスターバックスで朝食を食べました。

その後、RT60を東へ、そして途中から北上し本来のルートに戻りました。ロサンゼルスからラスベガス方向に向かうには大きな山脈を越えなければならず、実質的に道はRT15しかありません。よって、ロサンゼルスとラスベガスを通る車のほぼ全てがこの道を通ることになり、いつも大混雑しています。我々は9時にはここを通過してしまいましたので、渋滞には巻き込まれませんでした。

RT15の一部は、かつて「ルート66」だったそうです。RT15を走れば次の大きな街であるバーストーまですぐなのですが、我々は途中でこのフリーウェイを下り、オールド・ルート66を走ります。このように、今回の旅ではできるだけ「ルート66」を走るのです。

ルート66を走ると、道に「RT66」というマークが書かれています。このマークがルート66の目印です。もし道を間違ったら、このマークを頼ればいいのです。なんだか「オズの魔法使い」の煉瓦の道のようです。Apple Valleyを過ぎてRT15を下りると、そこは古き良きアメリカです。バーストーまで、ゆっくりとこの道を走りました。途中でルート66案内所がありました。かなりおおくの観光客がこの道を走っているのでしょう。このあたりは、砂漠地帯で特になにもありません。ただゆっくりとルート66を走りました。

しばらく行くとバーストーのダウンタウンに入ります。この街はロサンゼルスのゲートウェイとして栄えている街です。多くの旅行者が昔から現在に至るまで、この町で休憩します。この街は映画の撮影場所としても有名で「Kill Bill」の教会や「硫黄島」2作もここで撮影されています。街はとても小さく5分も走ればメインストリートは終了してしまいます。まだガソリンもあり、トイレ休憩も必要ないので、我々はこの街を通り抜けました。

私が調べたところ、ルート66はこのままフラッグスタッフまで繋がっていることになっていたのですが、バーストーを過ぎたあたりで私有地になてしまい、やむを得ず、一時別ルートを走りました。

ついでにバーストー郊外にゴーストタウンがあることを知ったのでそこに寄り道することになりました。

CALICO GHOST TOWNは、行ってみると観光地化されているところで、入場料を取られました。で、中は確かに西部開拓時代の町並みが保存されているのですが、かなり手が加えられており、中には新しく建てられた建物もあり失望しました。そして、かつての炭坑あとには、蒸気機関車が新たに作られ、まるで遊園地のようです。そして何故かアジア人のツアー客が沢山いて、我々のイメージしたゴーストタウンではありませんでした。

20分ほどこのゴーストタウンを見て、直ぐにルート66に戻りました。バーストーからは、RT40というフリーウェイと平行してルート66が残っています。とりあえず次の街ニードルズまで向かいます。

途中ニューベリー・スプリングスという街に映画「バグダット・カフェ」に登場したカフェがあるそうなので、ここで昼食をとることにしました。バグダット・カフェは、道の脇にポツンと建っていました。店の人たちはいったいどこから通ってくるのでしょうか。店に入るとなんともいえない田舎のアメリカ・ダイナーみたいです。店員は気さくです。私はメニューを見て外れの少ないフレンチトーストとチリソースを注文したのですが、味はかなり辛いものでした。友人が頼んだオムレツもいまひとつだったそうです。隣に座っていたフランス人カップルも顔をしかめていました。まあ、こんな田舎なので味を期待しても仕方がありません。映画の舞台となったこの店でコーヒーが飲めただけで良い思い出です。店を出ようとすると、店員が記帳して欲しいと本を持ってきました。そこにはこの見せに来たお客さんがいろいろと感想を書いているみたいです。バーカウンターの後ろには同じ本が数十冊積まれていました。我々も早速名前とコメントを記帳しました。数日前に女優の中谷美紀さんがここを訪れていたようです。彼女は素直に喜びを記していました。

ニードルズが見えてくるまで、約3時間ルート66は何もありません。本当になにもなく高原地帯を数時間ひた走るのです。小さな街すら存在しませんでした。楽しみは、平行して走るサンタ・フェ鉄道を頻繁に走る50両編成の貨物車くらいです。この長い長い列車はアメリカっぽくて見るだけでワクワクしました。

いいかげん飽きた頃、遠くにニードルズの街が見えてきました。この街はコロラド川沿いに開けた街のようで、バーストーよりもちょっと大きい街でした。ただいったいどんな産業があるのかよくわからない街でした。ルート66は、コロラド川を渡るところで切れています。平行して走るRT40の橋を造るためにもともとあったルート66の橋が取り壊されてしまったのです。川を渡ることができないので、いったん戻りRT40で川を渡りました。そして直ぐにRT40を下り、またルート66を走ります。

ここから次の大きな街キングスマンまでは、ルート66は山越えルートを通ります。平行するRT40とはしばらく離れて走ることになります。この時点で、時間は15時を回っていました。山越えルートは地図で見るだけで険しそうでしたが、せっかく来たのだから行ってみることにしました。ニードルズをでると、しばらく寂しい道が続きます。正面にはとんがった山が見え、ルート66は先がどうなっているのかわかりません。なんとなく不安になりながら走っていると、正面のとんがった山を迂回して、山脈を上っていくことがわかりました。結構険しい道が続きます。途中にゴールドラッシュで栄えたオートマンという小さな街があるそうです。しかし、そんな街がこの先にあるとは思えない程の険しい山に入ってしまいました。

すると、どこからかバギーカーが数台あられました。このバギーには脳天気な若者がとても軽装で乗っています。いったいどこから来たのだろうと思っていると、目の前に西部劇のセットのような街が出現しました。これがオートマンです。バギーは観光客が乗っていたようです。オートマンは、本当に西部劇の時代にタイプスリップしてしまったような街でした。ここにはクラーク・ゲーブルが新婚旅行時に宿泊したホテルが残っています。ということは昔は観光地だったのでしょうか。今も観光地ではあるのですが、街の景色以外見るものはあまりないようです。しかし、午前中行ったゴーストタウンよりオートマンのほうがよっぽど良い雰囲気です。ゴールドラッシュの頃の面影がそのままのこる不思議でかわいらしい街です。この辺りには、かつて飼われていて金山からの移動や輸送に使われていたロバが野生化してウロウロしています。気をつけて運転しないと危ないです。

オートマンを過ぎると、さらに険しい峠道があらわれます。この道を走ると、途中黄金狂時代に金を求めてやってきた人々が掘った穴が沢山ありました。

オートマンからキングスマンに着いた頃は、夕方になっていました。この街はバーストーよりもニードルズよりも大きな街です。ラスベガスとグランドキャニオンの中間に位置するので、栄えているのでしょう。モーテルやレストランもかなりの数があり、どこも賑わっていました。RT40とクロスしながら、我々は時間のある限りルート66を走ります。

キングスマンをでると、ルート66はセリグマンという街まで1本道が続きます。ここはインディアン居住区です。さて、どんな景色になるのかと走っていると、やはり何もありませんでした。高原をひた走るだけです。1時間ほど走るとセリグマンに到着します。

セリグマンは、ルート66を復興した人々が住む街です。古き良きアメリカの街が残っており、ルート66関連の店や案内所もあります。我々はここで給油し、街を散策しました。私が追い求めていた風景がここにありました。ノスタルジックな看板、モーテル、ルート66のマークに溢れた街道の宿場町。この街にいると、60年代のアメリカ、映画「アメリカン・グラフィティ」の世界に迷い込んでしまったような錯覚にとらわれました。

しかし、ここで日が暮れてしまいました。後は、真っ暗なRT40を今日の宿であるフラッグスタッフまでとばします。セリグマンからフラッグスタッフまでは車で1時間くらいでした。フラッグスタッフの街も結構大きかったです。

我々は19時過ぎにホリデイインにチェックインして、直ぐに食事に出ました。昼の食事が酷かったので、安全に中華料理の店に入ったのですが、恐ろしくまずかったです。今回の旅行のワースト1の食事でした。でも、店は結構繁盛していました。アメリカの田舎では味はこんなもんなんでしょうか。

今日は、旅行中一番長く走ったことになります。
部屋に戻り、爆睡です。


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ラブ

雄大ですね、荒野ですね、アメリカですね。
「バグダット・カフェ」…ベスト10に入るくらい、好きな映画です。
リアルタイムで見たわけじゃないけど、音楽が耳を離れません。
いいなぁ〜、そんな所に行けるなんて!
by ラブ (2006-11-01 15:11) 

かおり

バグダッド・カフェのコーヒーマシンは壊れていたのでは・・・(笑)
50両の貨物列車!!!想像もつきません。
それにしても味気ない日本の貨物列車にくらべてカラフルでかわいいですね
ただ、どこにいっても食事はイマイチなのでしょうか?
それはツライなぁ^^;
by かおり (2006-11-01 18:32) 

にょろ

遊びに来て頂きありがとうございました(^o^)
50両編成の貨物車、スケールが違いますね~。
(にょろ@鉄道好き!)
by にょろ (2006-11-01 20:07) 

Traveler

にょろさん、こんにちは。
50両は、踏切で捕まると、かなり待ちます。
by Traveler (2006-11-01 21:37) 

Traveler

ラブさん、こんにちは。
「バグダット・カフェ」は映画のまんまでしたが、コーヒーはでてきましたよ。
でも、味が・・・・・
by Traveler (2006-11-02 09:18) 

Traveler

青い花さん、こんにちは。
今回の旅行で驚いたのは、食事の味です。NYやLAは、最近良くなったのですが、田舎は昔のままです。んー。
by Traveler (2006-11-02 09:20) 

kazura

ルート66行ってみたいです
LAは1回だけ行ったのですが(撮影で)
1日30カットと異常なほどハードな仕事でした
なので最後の1日の休みの日にロデオドライブとメルローズ
でお買い物でしたw
有名なベニスビーチも、案外荒れてましたw

今度は純粋に旅行で行きたいです
by kazura (2006-11-11 11:37) 

Traveler

kazuraさん、こんにちは。
ベニスビーチは、ちょっと奥まったCanal周辺がきれいですよ。
by Traveler (2006-11-11 14:02) 

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